20代で歯茎が下がる原因とは?自力で戻る噂の真偽と最新再生治療
20代で歯茎が下がる原因とは?自力で戻る噂の真偽と最新再生治療について分かりやすく解説いたします。最新の情報をチェックしてください。
日本臨床歯周病学会などの報告によると、歯肉退縮は歯周病菌による炎症だけでなく、機械的な刺激や解剖学的な骨の薄さが複雑に絡み合って引き起こされます。中高年であれば長年の歯周病蓄積が主因となりますが、20代歯茎下がり原因の多くは、若年層ならではの生活行動と骨格の脆さに起因しています。
現場の歯科医師が警鐘を鳴らす最大の要因が、良かれと思って行っている強すぎるブラッシング圧です。清潔志向が強く、1日に3回以上、1回あたり10分以上かけて丁寧に磨く人ほど、硬い毛の歯ブラシで歯茎を物理的に削り落としてしまう「擦過傷性の退縮」を招いています。歯茎の厚さは個人差が大きく、特に日本人をはじめとするアジア人は、欧米人に比べて歯を支える骨(歯槽骨)や歯肉が極めて薄い「シントタイプ(Thin biotype)」が約7割を占めると指摘されています。この薄い組織に対し、200グラム以上の過剰な筆圧でゴシゴシと横磨きを繰り返せば、わずか数か月で歯茎は耐え切れずに後退してしまうのです。
さらに近年、若者の間でブームを超えて定着した審美治療の裏側で、歯列矯正後の歯茎下がりに悩む人が目立っています。マウスピース矯正やワイヤー矯正によって、叢生(ガタガタの歯並び)を綺麗に並べる際、顎の骨の幅を超えて外側へ歯を大きく移動させると、歯を覆う外側の骨が吸収されて歯茎が急激に下がることがあります。歯並びは劇的に整ったものの、口元を開けると歯根が露出し、老けた印象を与えてしまうという皮肉なトラブルが頻発しています。
そして最も警戒すべき病的な要因が、侵襲性歯周炎若年層における発症です。これは通常の歯周病とは異なり、プラーク(歯垢)の付着量がそれほど多くないにもかかわらず、特定の歯周病原因菌(アグリゲティバクター・アクチノミセテムコミタンスなど)に対する免疫応答の異常によって、10代後半から20代にかけて急速に骨が溶かされていく疾患です。「まだ20代だから歯周病なんて無縁」という油断が早期発見を阻み、気づいたときには歯がグラグラ揺れ始めているという悲劇を生んでいます。