「まだまだ暑い日が続きますが」はいつまで?メール結びの正解と落とし穴
「まだまだ暑い日が続きますが」はいつまで?メール結びの正解と落とし穴について専門的な視点から解説いたします。詳細な分析をお届けします。
インターネット上のテンプレートを無批判にコピー&ペーストしていると、意図せず失礼な文章を作成してしまう落とし穴が存在します。特に頻発している3大誤解を解き明かします。
落とし穴1:「お体をご自愛ください」という二重表現の重言ミス
結びの言葉で極めて多く散見されるのが、「まだまだ暑い日が続きますが、どうぞお体をご自愛ください」という文面です。実はご自愛ください使い方の規範において、「自愛」という言葉そのものに「自分自身の体を大切にする」という意味が含まれています。したがって、「お体を」を前置すると「体を体を大切にしてください」という重複表現(重言・二重敬語の一種)となり、日本語として誤りと判定されます。正しくは単に「どうぞご自愛ください」、あるいは「まだまだ暑い日が続きますが、くれぐれもご自愛専一にお過ごしください」と記述するのが正しい用法です。
落とし穴2:体感温度だけを理由に10月まで引っ張る規範無視
近年の気候変動により、10月に入っても半袖で過ごせるような夏日が観測される年があります。しかし、ビジネス文書の時候の挨拶は「物理的な気温の報告」ではなく「季節の節目を共有する文化的プロトコル」です。10月に「まだまだ暑い日が続きますが」と記述することは、手紙文化の基礎知識を欠いていると受け取られかねません。気温が高い場合でも、10月に入れば「日中は汗ばむ陽気の日もございますが、朝夕はめっきり冷え込んでまいりました」といったように、季節の進展と対比させる構図をとるのが知的な表現作法です。
落とし穴3:病気療養中や被災地の相手に対する配慮の欠如
「ご自愛ください」という結びは健康な相手に対する定型文であり、現在すでに病気や怪我で療養している相手、あるいは激甚災害や酷暑による停電被害などに遭っている相手に対して用いるのは不適切です。「相手の状態を知らない無神経な挨拶」とならないよう、相手の状況が思わしくない場合は「一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます」など、具体的な見舞いの言葉へ差し替えるのが危機管理上の鉄則です。