なぜピサの斜塔は倒れない?最新の傾斜角度と地盤沈下の真相に迫る
なぜピサの斜塔は倒れない?最新の傾斜角度と地盤沈下の真相に迫るについての最新情報をご紹介します。
20世紀後半、ピサの斜塔は限界を迎えました。年間1ミリメートル以上のペースで傾斜が進み、1990年初頭には鉛直からの傾斜が5.5度(傾きによる頂点のずれが4.5メートル超)に達し、いつ倒壊してもおかしくない危機的状況に陥ったのです。イタリア政府は1990年1月に塔を完全閉鎖し、工学者ミケーレ・ヤミオルコフスキ教授を座長とする国際救済委員会を組織しました。
採用されたのは、北側の基礎の下から土を少しずつ細いドリルで抜き取る「アンダーエクスキャベーション(地盤土抜き工法)」です。塔の南側に約600トンの鉛の重りをカウンターウェイトとして仮置きしつつ、慎重に土砂を除去することで、塔を意図的に北側へ引き戻すことに成功しました。2001年に完了した工事によって傾きは約40センチメートル戻り、約3.99度(現在の鉛直からのズレ約3.9メートル)まで改善。2026年現在のモニタリングデータでも構造は極めて安定しており、ピサ大聖堂建築管理組織(OPA)は「少なくとも今後200年から300年の間、倒壊の危険性はない」と公式に発表しています。