ダノイ高輪店の閉店理由と現在|名物キャベツパスタの行方を追う

ダノイ高輪店の閉店理由と現在|名物キャベツパスタの行方を追うに関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

ダノイという名を聞いて、誰もが真っ先に思い浮かべるのが「元祖 キャベツとアンチョビーのスパゲッティーニ」です。「ダノイ 名物パスタ」「ダノイ キャベツのパスタ」として日本のイタリア料理史にその名を刻むこの一皿は、1991年に西麻布で創業した伝説的オーナーシェフ、小野清彦氏の手によって生み出されました。

当時、高級食材をふんだんに使うことがステータスとされていた日本のイタリアンにおいて、庶民的な冬キャベツを主役に据えたこのパスタは、料理界に鮮烈な衝撃を与えました。みずみずしいキャベツの甘みを極限まで引き出し、アンチョビの芳醇な塩気とニンニクのコク、オリーブオイルのエマルジョン(乳化)によって一体化させる技術は、まさにリストランテダノイ シェフたちが受け継いできた職人技の結晶です。

取材証言や当時の料理専門誌の記録を紐解くと、小野清彦シェフはかつてメディアの取材に対し次のように語っています。

「高級な食材を並べるだけが料理ではない。身近にある素材の力を極限まで信じ、そこに確かな火入れと塩の塩梅を施すことで、日常の中に最上の感動を生み出せる。Da Noi(我が家)でお客様を迎える以上、驚きとともにどこかホッとする温度感を届けたかった」

高輪店においても、この哲学は揺るぎなく息づいていました。契約農家から届く新鮮な野菜を用い、ひと皿ひと皿を絵画のように美しく盛り付けながら、コース全体を一つの物語として構成する手腕は、多くの常連客の心を掴んで離しませんでした。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest