モルワイデ図法はなぜ楕円?メルカトルとの決定的な違いと面積の真相
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世界を平面に描く地図投影法は、目的に応じて数百種類以上が考案されてきました。その中でも教育現場や実務で代表的な図法を比較すると、各図法が「何を捨て、何を守るために設計されたか」が鮮明に浮かび上がります。
図法の名称保持される性質・特徴主な歪みとデメリット最適とされる主用途モルワイデ図法正積(面積が正確)
外枠が楕円形、緯線は平行な直線、経線は等間隔の楕円弧高緯度・周辺部で大陸の形が東西方向に引き伸ばされ斜めに潰れる人口・資源・農業生産高などの世界統計分布図、教材メルカトル図法正角(局所の形・角度が正確)
経線・緯線が直交する長方形の地図高緯度ほど面積が異常拡大(極点は無限大に発散し描けない)航海用海図、局所的な都市地図(Web地図の基盤技術)サンソン図法正積(面積が正確)
外枠が正弦曲線(サインカーブ)を描く舟形低緯度は歪みが少ないが、高緯度の周縁部で形が極端に鋭角に引き裂かれる赤道付近やアフリカ・南米大陸など単一地域の中低緯度図グード図法
(ホモロサイン図法)正積(面積が正確)
低緯度(サンソン)と高緯度(モルワイデ)を緯度44度04分で結合海洋部に大きな「裂け目(断裂)」が入り、海を越えた連続性が途切れる陸地中心の世界統計図、環境や生態系の世界分布図正距方位図法中心からの距離と方位が正確
中心点を基準にした円形の地図中心から離れるほど面積・形状の歪みが急拡大し、対蹠地は円周全体に広がる航空路図、国際連合のシンボルマーク、ミサイル到達圏図
ここで注目すべきは、サンソン図法とモルワイデ図法の関係性です。17世紀に普及したサンソン図法は、低緯度地帯の歪みが極めて小さい反面、高緯度に行けば行くほど経線が極点に向かって尖った角度で交わるため、北欧や極東地域が細長く引き伸ばされてしまう欠点がありました。
モルワイデは高緯度におけるこの鋭利な形の歪みを緩和するため、経線をサインカーブから「楕円弧」へと置き換えました。その結果、中高緯度の大陸の形が丸みを帯びて見やすくなり、世界全体の概観に耐えうる地図となったのです。後に登場するグード図法(ホモロサイン図法)は、「低緯度はサンソン図法、高緯度はモルワイデ図法」という両者のいいとこ取りをして海を切り開いたハイブリッド形式であり、モルワイデ図法の存在なしには成立しませんでした。