ふじようちえんの凄さとは?円形園舎とモンテッソーリの真実【2026】

ふじようちえんの凄さとは?円形園舎とモンテッソーリの真実【2026】に関する主要な事実を詳しくまとめました。最新データをご確認ください。

世界中の教育関係者や建築家が立川市へと視察に訪れる最大の要因は、一度見たら忘れられないドーナツ型の屋上デッキを持つ楕円形園舎にあります。手掛けたのは、国内外で数々の建築賞を受賞している建築家の手塚貴晴氏と手塚由比氏(手塚建築研究所)。さらにクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が参画し、幼稚園全体を「子どもの育ちを最大化する巨大な遊具」へと昇華させました。

園舎の屋根は外周約183メートルにおよぶエンドレスな円形デッキになっており、行き止まりが一切存在しません。敷地内に自生していた樹齢数十年におよぶ巨大なケヤキの木が屋根を突き抜けるようにそびえ立ち、子どもたちは自然と屋上へ駆け上がり、木の周りに張られた安全ネットへダイブして遊びます。園長を務める加藤積一氏は、過去のメディア取材や講演会において次のような設計意図を明確に語っています。

「人間は本来、動脈のように循環する空間で本能を刺激されます。行き止まりのないドーナツ型の空間に子どもを置くと、驚くべきことに1日で数キロメートルもの距離を笑顔で走り回るのです。大人が『走りなさい』と強制するのではなく、身体を動かしたくてたまらなくなる環境を用意することこそが建築の役割でした」(加藤積一園長の発言より要約)

さらに特筆すべきは、あえて「不便」を残した設計手法です。教室を区切る固定壁は存在せず、隣のクラスの声や外の風の音がそのまま届きます。引き戸は完全には閉まりきらず、隙間風が入るため、子どもたち自身が「最後までキチンと閉める」行動を学ばなければなりません。蛇口の下には水受けのシンクを設けず、足元に水が跳ね返る構造にすることで、「水を出しっぱなしにすると自分が濡れる」という自然の摂理を身体で理解させます。過剰な安全対策で子どもの五感を奪う現代社会への強烈なアンチテーゼが、この園舎には組み込まれているのです。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest