秋じゃがいもの植え付け時期はいつ?腐る原因と地域別適期を徹底解説
秋じゃがいもの植え付け時期はいつ?腐る原因と地域別適期を徹底解説について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。
ネット上のQ&Aサイトや家庭菜園コミュニティで毎年9月に吹き荒れるのが、「植えたはずの種芋が見当たらない、掘り返したら異臭を放って腐敗していた」という悲鳴です。なぜ、春植えでは滅多に起きない「種芋の腐敗」が、秋じゃがいもではこれほど多発するのでしょうか。農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)などの植物病理学的研究データを参照すると、その原因は「地温」と「土壌細菌」の相互作用にあることが明白です。
じゃがいもの生育適温は15℃〜20℃であり、種芋の発根・萌芽限界は地温25℃前後とされています。しかし、8月下旬から9月上旬の直射日光を浴びた土壌内部の温度は、気温32℃の日であれば容易に地温30℃〜35℃に達します。この高温環境下に種芋が置かれると、芋の呼吸量が異常に跳ね上がり、内部の酸素が枯渇して細胞組織が急速に窒息衰弱を起こします。
そこへ襲いかかるのが、土壌中に常在するペクトバクテリウム(軟腐病菌)やピシウム菌などの病原菌です。これらの細菌は地温25℃以上かつ多湿な環境で爆発的に増殖し、弱った種芋の細胞壁を分解するペクチン溶解酵素を分泌します。その結果、種芋はわずか数日でドロドロの液体状に溶解し、発芽に至ることなく消滅してしまうのです。これこそが、植え付け適期を早まりすぎた際に発生する秋じゃがいも種芋腐る対策における最大の落とし穴です。
一方で、暑さを恐れるあまり植え付けを極端に遅らせると、今度は秋じゃがいも遅植えのリスクが牙をむきます。秋じゃがいもは寒冷期の降霜によって地上部が枯死した時点で芋の肥大が完全に停止します。開花期から結芋期に必要な「葉面積」と「日照時間」を確保できず、満足なデンプン蓄積が行われないまま強制終了を迎えてしまうため、収穫量が激減するのです。