北朝鮮・金一族の家系図と後継者争い!娘ジュエ氏台頭の真相
北朝鮮・金一族の家系図と後継者争い!娘ジュエ氏台頭の真相の注目ポイントを分かりやすくまとめてご紹介します。
金一族の統治史は、文字通り「身内の血」で贖われてきた歴史でもあります。なぜ彼らは親族や長年の側近をこれほど苛烈に排除するのか。その深層にある金一族の粛清理由は、独裁権力の純化と、自らを脅かす可能性のある「代替勢力の完全抹殺」に他なりません。
その極致として世界を震撼させたのが、2017年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で起きた金正男暗殺事件の真相です。
搭乗手続き中だった金正男氏は、猛毒の神経剤「VX」を顔面に塗りつけられ、わずか20分足らずで絶命しました。実行犯となった東南アジア出身の女性2人は「バラエティ番組のいたずら動画の撮影だと思っていた」と供述。事件の背後で周到に糸を引いていたのは、北朝鮮の偵察総局工作員たちでした。
金正男氏は当時すでに政治的野心を失い、マカオなどで海外生活を送っていましたが、中国政府の一部が「万が一の際の交代カード」として彼を保護しているという噂が平壌を苛立たせていました。「同じ白頭の血統を持つ長男」が存在すること自体が、若い金正恩体制にとっては致命的な火種だったのです。
正男氏の暗殺後、注目されたのがその息子である金漢率(キム・ハンソル)氏の現在の居場所です。事件直後、反体制組織「千里馬民防衛(現・自由朝鮮)」の手助けによって家族とともにマカオを脱出。YouTubeに生存を証明する動画を公開した後は、アメリカのCIAをはじめとする西側情報機関の厳重な保護のもと、欧米圏の非公開拠点で生活しているとみられています。彼の存在は、将来的に平壌体制が崩壊した際の正統な血統保持者として、今なお北朝鮮指導部にとって目障りな亡霊であり続けています。
これに先立つ2013年12月、金正恩氏は自らの叔父であり後見人だった張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長を「国家転覆陰謀行為」の罪で即座に銃殺刑に処しました。金正日時代を支えた重臣や親族であっても、唯一絶対の権力に陰りを落とす影は寸分たりとも許さない――これが北朝鮮の世襲体制の仕組みが内包する、逃れられない宿命です。