ミソジニーとは?日常に潜む無自覚な女性嫌悪と克服への処方箋

ミソジニーとは?日常に潜む無自覚な女性嫌悪と克服への処方箋とはどのようなものなのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。

ミソジニー(英語:Misogyny)は、ギリシャ語の「misein(嫌う)」と「gyne(女性)」を語源とする社会学・心理学の重要タームです。一般には「女性嫌悪」と訳されますが、日本語の「嫌悪」という言葉が持つ「生理的に受け付けない」「大嫌いである」というニュアンスだけで捉えると、本質を見誤ります。

社会学者の上野千鶴子氏は著書『女ぎらい――ニッポンのミソジニー』の中で、男性におけるミソジニーを「女性の他者化・客体化と蔑視」、女性におけるミソジニーを「自己嫌悪」と定義しました。つまり、男性社会(ホモソーシャル)において自らの優位性やアイデンティティを確認するために、女性を対等な主体としてではなく、都合よく評価・消費・支配する対象として一段低く見積もる非対称な力関係の現れなのです。

典型的な誤解として「自分は女性が好きで付き合いたいと思っているから、ミソジニーではない」という主張があります。しかし、女性を「自分のトロフィー」「身の回りの世話をしてくれる存在」「性欲を満たす道具」として愛好している状態は、相手を対等な人間として承認していないため、まさにミソジニーの典型例と言えます。女性を「聖女(都合の良い理想)」と「娼婦(蔑視の対象)」に二分して捉える心理的スプリッティング(マドンナ・娼婦コンプレックス)も、この根深い構造から派生しています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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