なぜ国名を名乗れる?明治ブルガリアヨーグルト誕生秘話と砂糖の真相

なぜ国名を名乗れる?明治ブルガリアヨーグルト誕生秘話と砂糖の真相の具体的な内容に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

通常、国家の名称は一民間企業の営利商品に安易に使えるものではありません。国際慣例や商標法上でも、国名の独占使用は極めてハードルが高いのが現実です。それでもなお、明治が「ブルガリア」の名を堂々と掲げ続けられているのは、ブルガリア政府から正式な国家認可を取り付けた歴史があるからです。

ことの発端は1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)でした。ブルガリア館で提供されていた本場のプレーンヨーグルトを口にした明治の開発スタッフは、それまで日本で親しまれていた加糖・ゼラチン固めのヨーグルト風デザートとは全く異なる、濃厚な風味と爽やかな酸味に雷に打たれたような衝撃を受けました。「この本物の味を日本の食卓に届けたい」という強い熱意から、プロジェクトが本格始動します。

しかし、最大の壁となったのが「国名使用」の許可でした。当初、明治は製品名に「ブルガリア」を冠することを申請したものの、ブルガリア政府からは「一国の名前を一企業の製品に貸し出すことなど前代未聞であり、到底認められない」と即座に拒絶されました。国家の威信とアイデンティティに関わる問題であったため、当然の反応でした。

そこで明治は諦めることなく、まず1971年に「明治プレーンヨーグルト」という名で発売に踏み切ります。同時に、本場ブルガリアから直輸入した乳酸菌株を厳密に管理・培養し、現地の伝統製法を忠実に再現する技術開発を愚直に続けました。定期的に製品サンプルをブルガリア大使館や政府関係者へ届け、その品質の高さと熱意を証明し続けたのです。

その結果、明治の誠実なモノづくりと本場への敬意がブルガリア政府の心を動かしました。1973年、ブルガリア政府(当時の国営企業)から「本場の正統なヨーグルトである」と正式に認定され、国名使用の独占的許可を勝ち取ったのです。これが「明治ブルガリアヨーグルト」誕生の歴史的瞬間でした。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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