犬が草を食べて吐く理由は?獣医師が教える危険な症状と受診の目安
犬が草を食べて吐く理由は?獣医師が教える危険な症状と受診の目安について詳しく解説いたします。詳細な分析をご確認ください。
草を食べる行為で最も恐ろしいのは、植物自体が持つ毒性成分と、人工的に散布された化学薬剤による中毒事故です。犬にとって散歩道は、視覚的には緑豊かに見えても化学物質のトラップが張り巡らされた危険地帯になり得ます。
特に春先から秋口にかけて、公園、堤防、農道、マンションの植え込みなどでは、雑草防除を目的とした除草剤が散布されます。グリホサート系や旧来のパラコート系製剤などが付着した草を犬が摂取すると、急性除草剤中毒を引き起こします。症状としては、異常な流涎(よだれが止まらない)、激しい嘔吐と下痢、瞳孔の散大、筋肉の痙攣や運動失調、チアノーゼ、さらには急性腎不全や多臓器不全に至り、処置が遅れれば数時間から数日で死に至る危険性があります。
また、道端や家庭菜園、花壇に自生している犬が食べてはいけない危険な植物にも細心の注意を払わなければなりません。
- ユリ科植物(テッポウユリ、スズラン、タマネギ等):ごく微量の摂取や花粉の吸入でも重度の急性腎障害を引き起こす猛毒植物。
- ナス科植物(トマトの未熟果・茎葉、チョウセンアサガオ等):ソラニンやアルカロイド成分により、激しい消化器症状と神経麻痺を誘発。
- アジサイ(紫陽花):青酸配糖体を含み、過呼吸、興奮、ふらつき、麻痺を引き起こす。
- ヒガンバナ科(スイセン、ヒガンバナ等):リコリン等の有毒アルカロイドにより、激しい嘔吐、血便、中枢神経麻痺を招く。
散歩道で除草作業が行われた直後(枯れかけて黄色く変色した草が目立つ場所)や、見慣れない園芸品種が植えられたエリアには絶対に愛犬を近づけてはなりません。