隠蔽捜査の読む順番と最新刊ガイド!竜崎伸也の魅力とドラマの現在

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本シリーズの根幹を成す最大の駆動力は、主人公・竜崎伸也と、その幼馴染であり同期のキャリアである伊丹俊太郎(警視庁刑事部長)が織りなす比類なき関係性にあります。

竜崎伸也というキャラクターは、従来の創作物に登場するキャリア像とは完全に一線を画しています。東大卒のエリートでありながら、私利私欲や出世欲、天下りへの執着が一切ありません。彼を突き動かしているのは、「国家公務員たるもの、国家と国民に奉仕するのが本分」「警察官は法を犯した者を法に照らして正当に処罰・処理するのみ」という、極端なまでに純粋な「原理原則」と「合理主義」です。

一見すると冷徹な官僚機構の歯車のように見えますが、竜崎の合理主義は「不祥事を隠蔽して組織のメンツを守ることは、長期的には組織を腐敗させ国民の信託を裏切る非合理的な愚行である」という結論へと導かれます。だからこそ、彼は保身に走る上層部の圧力に眉一つ動かさず、大森警察署の頑固なベテラン刑事・戸高善彦のように現場で命を張る人間を、自身の責任において徹底的に信頼し守り抜きます。

一方の伊丹俊太郎は、私大(早稲田大学)出身のキャリアとして、警察組織内の政治力学やマスコミ対策、現場刑事たちの感情的な宥め方に長けた現実主義者です。伊丹は、周囲との摩擦を厭わず正論を振りかざす竜崎に対して「お前は融通が利かなすぎる」「いつか組織に殺されるぞ」と苛立ちを隠しません。しかし同時に、自分が組織のしがらみや政治的配慮に絡め取られそうになったとき、竜崎の純度の高すぎる正論に救われ、深く依存していることにも気付いています。

社会学者のマックス・ヴェーバーが指摘した「官僚制の逆機能(規則への過度な固執や事なかれ主義)」を、皮肉にも官僚制度の基本理念である「職務に対する忠実義務と合理性」を極限まで突き詰めることで打ち破っていく竜崎の姿は、硬直化した日本の企業組織で働く社会人読者に、強烈な知的興奮とカタルシスを提供しているのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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