横綱と大関の違いとは?年収格差と昇進・陥落ルールの真相を徹底解剖
横綱と大関の違いとは?年収格差と昇進・陥落ルールの真相を徹底解剖の背景について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
インターネット上の掲示板やSNSでは、怪我で連続休場する横綱に対して「横綱は負け越しても番付が落ちないから気楽でいい」「大関のほうが降格の危機があって大変だ」といった短絡的な声が散見されます。しかし、相撲部屋関係者や現場記者の間では、これは完全な誤解であると断じられています。
横綱に降格がないのは、「大相撲の最高神前儀礼を司る最高位が、平幕や十両力士に負け越して地位を下げること自体が相撲界の威信に関わる」という宗教的・伝統的格式に由来します。降格がない代わりに用意されている出口は、現役を退く引退勧告の基準と、自ら土俵を去る「自主引退」の覚悟だけです。
成績不振や長期休場が続いた場合、横綱審議委員会は以下の3段階の決議を下す権限を持っています。
- 激励:再起への奮起を促す注意喚起。
- 注意:次場所での進退伺いを強く迫る警告。
- 引退勧告:出席委員の3分の2以上の賛成で決議される最も重い処分。これが出された場合、力士は実質的に現役を退く以外の選択肢を失う。
大関は負け越しても関脇に落ち、そこから地道に再起を図ることができます。しかし、横綱は一度限界を露呈し、皆勤して負け越すような無様な姿を見せれば、その瞬間にキャリアが強制終了します。「負け=即引退」の恐怖と常に隣り合わせで土俵に上がり続ける横綱の心理的重圧は、地位を維持するために勝ち越しを目指す大関のそれとは、性質が根本から異なります。