直腸潰瘍の血便と痛みの正体|大腸癌との違いや原因と最新治療法
話題沸騰中の 直腸潰瘍の血便と痛みの正体|大腸癌との違いや原因と最新治療法について、多角的な視点をご紹介しています。
排便時あるいは排便後に生じる鮮紅色の出血や、下腹部の重苦しい不快感。これらを引き起こす直腸潰瘍症状の最大の特徴は、病変部位が肛門縁からわずか数センチから十数センチの直腸領域に局在している点にあります。結腸の奥深くで生じた出血と異なり、血液が酸化されずに「鮮血便」として排泄されるため、患者本人は「いつもの痔核(いぼ痔・切れ痔)からの出血」と誤認して医療機関の受診を先延ばしにする傾向が顕著です。
臨床現場において、直腸潰瘍を軽視してはならない決定的な理由は以下の3点に集約されます。
- 突発的な動脈性出血による貧血・ショック状態:粘膜下層を貫いて走行する血管が破綻すると、便器一面が凝血塊(血の塊)で埋まるほどの急激な下血をきたし、ヘモグロビン濃度の急低下や血圧低下による意識障害を引き起こします。
- 難治性の狭窄および排便障害:潰瘍が慢性化して線維化が進むと、直腸の内腔が狭小化し、激しい排便痛や便の狭小化(便が細くなる現象)が固定化します。
- 悪性腫瘍(大腸癌)の見逃しリスク:潰瘍を形成するタイプの進行直腸癌との初期症状および局所所見の境界が極めて曖昧であり、自己診断による放置が治療のゴールデンタイムを奪う最大の引き金になります。
下腹部の違和感や、便を出した後もすっきりしない「残便感(テネスムス・しぶり腹)」を伴う直腸潰瘍血便が数日以上継続する場合、すでに粘膜の深部に達する組織破壊が進行している明白なサインです。