「誰も信用できない」心の原因とは?トラウマを脱する実践処方箋
「誰も信用できない」心の原因とは?トラウマを脱する実践処方箋に関する質問を分かりやすくまとめました。詳細な解説をご確認ください。
ネット上の人生相談や道徳論では「人を信じられない人間は孤独になる」「まずは自分から人を信じましょう」といった耳触りの良いアドバイスが散見されます。しかし、臨床心理の視点から言えば、これは傷ついた当事者をさらに追い詰める極めて危険な精神論です。
そもそも、人間が危険を察知して他者を疑うのは、生存確率を高めるために数万年かけて進化させた適応機能です。猛獣や外敵から身を守るのと同じように、攻撃性や不誠実さを持つ他者から自分を防御するために疑念を抱くことは、健全な生命維持反応に他なりません。
問題なのは「人を信じられないこと」自体ではなく、「信じるか・信じないか」の0か100かの二元論に囚われてしまうことです。世の中の人間関係を「絶対的な味方」と「裏切り者」の2種類に分類してしまうと、相手のほんの小さな欠点や価値観の不一致を目にしただけで、「この人も敵だった」と極端な結論に至ってしまいます。
目指すべきゴールは、無防備に他人を信じることではありません。「人は状況によって嘘をつくこともあるし、間違うこともある」という前提を受け入れたうえで、致命傷を負わない距離を保ちながら共存するスキルを身につけることです。