なぜ米軍岩国基地に戦力集中?F-35B配備と艦載機移駐の全貌に迫る

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かつて旧日本海軍の航空基地として昭和13年(1938年)4月に建設が着手され、昭和15年7月から終戦まで岩国海軍航空隊が置かれていたこの地は、地理的に今津川と門前川に挟まれた三角州に位置しています。戦後、米軍に接収されて以降、長らく米海兵隊第12海兵航空群(MAG-12)が駐留する拠点として運用されてきました。

転機となったのは、日米安全保障協議委員会(2プラス2)で合意された米軍再編ロードマップです。これにより、神奈川県の厚木基地から米海軍第5空母航空団(CVW-5)の空母艦載機約60機が岩国へ移駐する計画が動き出しました。厚木基地からの移転理由は明白でした。首都圏の過密住宅地に隣接する厚木周辺では深刻な騒音被害訴訟が泥沼化しており、防衛省と米軍は訓練環境の維持と騒音被害の分散を名目に、滑走路を海側へ約1キロ移設完了していた岩国への移駐を決断したのです。

2017年から2018年にかけて、空母ロナルド・レーガン(現ジョージ・ワシントン)に艦載されるFA-18スーパーホーネット戦闘攻撃機やE-2D早期警戒機などが続々と到着しました。これに米海兵隊の戦闘攻撃中隊が加わり、常駐する軍用機は約120機体制に達しました。戦闘航空戦力の集中度合いにおいて、沖縄の嘉手納基地をも凌駕する「極東最大の航空基地」と称される由縁がここにあります。

さらに注目すべきは、岩国基地F-35B配備理由です。2017年1月、米海兵隊は最新鋭第5世代ステルス戦闘機F-35BライトニングIIを、米本土以外で世界初となる前線配備先として岩国基地を選定しました。短距離離陸・垂直着陸(STOVL)能力を持つF-35Bは、強襲揚陸艦(事実上の軽空母)への搭載が可能であり、南西諸島から台湾海峡、東シナ海に至るチョークポイントへの迅速な展開力を担保するために不可欠なピースと位置づけられたのです。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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