米津玄師『Lemon』なぜ色褪せない?名曲の真実と感動の制作秘話
米津玄師『Lemon』なぜ色褪せない?名曲の真実と感動の制作秘話に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。今すぐチェックことができます。
『Lemon』を聴いたリスナーの間で、リリース当初から大きな反響を呼んだのが、AメロやBメロのリズムの合間に鳴り響く「ウェッ(あるいはクエッ)」という個性的な音です。一見すると突拍子もない異物のように感じられるこの音の正体は、米津自身のボーカルトラックやオールドスクールHIPHOPなどで用いられるボイスサンプリングを細かくエディットし、パーカッシブに配置したものです。
この音には、単なる装飾を超えた緻密な音楽的意図が込められています。あえて拍子の表裏を狂わせるような引っ掛かりを作ることで、心地よいメロディに意図的な緊張感をもたらし、聴く者の集中力を途切れさせません。人間の「しゃくりあげるような嗚咽」や「割り切れない感情の軋み」を想起させるこの仕掛けこそが、楽曲に独特のビート感と忘れがたい中毒性を付与しています。
さらに、音楽理論の観点からも『Lemon』の構造は極めて秀逸です。哀愁を帯びたマイナーコードを基調としながらも、随所にモーダルインターチェンジ(同主調からの借用和音)やテンションノートを巧みに織り交ぜることで、湿っぽくなりすぎない洗練されたエモーショナルさを演出しています。メロディの跳躍とハーモニーの緊張・緩和が完璧にシンクロしている点も、何度聴いても飽きが来ない大きな理由です。