「執刀医への謝礼」は必要か?渡さない影響と裏相場、最新現場を追う
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単刀直入に言えば、謝礼を出さなかったからといって手術で手を抜かれるような事態は、今の日本の医療現場では原理的にあり得ない。執刀医をはじめとする外科チームは、目の前の患者に対して医学的・技術的限界まで最善を尽くす職業的責任を負っている。金銭の有無でメスを握る手の精度が変わるなど、プロフェッショナルとしてのプライドが断じて許さないからだ。
では、なぜ「渡さないと不利益を被る」という噂が都市伝説として生き残り続けるのか。医療業界の構造に詳しい関係者は、患者側の心理的トラウマを指摘する。「万が一にもミスされたくない」「少しでも手厚く診てほしい」という絶望的な不安が、金品を差し出すことで安心を買おうとする行動へ走らせるのだ。しかし、実際の現場で当事者となる外科医たちに聞くと、返ってくるのは困惑の声ばかりだ。「お金を積まれたからといって腫瘍の切除範囲が変わるわけがない。むしろ受領発覚のリスクばかりが高まり、やりづらくて仕方がない」というのが切実な本音である。