アリの巣コロリの効果はいつ?「効かない」噂の真相と巣ごと全滅させる秘策

アリの巣コロリの効果はいつ?「効かない」噂の真相と巣ごと全滅させる秘策とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

適切な日数を待っても一向にアリが減らない、あるいはケースに全く入らない場合、現場では明確なエラーが発生しています。取材と検証から浮かび上がった、効果を阻害する代表的な3大要因を整理します。

第1の要因は、ターゲットとなるアリの「食性」と「体格」の不一致です。日本国内の住宅周辺に生息するアリは多種多様で、主に「蜜(糖分)を好む吸蜜性」と「昆虫の死骸などを好む肉食・雑食性」に分かれます。通常のアリの巣コロリに充填されているのは顆粒状のベイト剤であり、トビイロシワアリやクロヤマアリなどの雑食性種には抜群の嗜好性を発揮します。しかし、樹液や花の蜜、アブラムシの甘露を主食とするルリアリやサクラアリ、あるいは顆粒を口にくわえられない微小なヒメアリ類に対しては、粒子が大きすぎるか嗜好性が合わず、見向きもされずに素通りされる事態が生じます。

第2の要因は、忌避物質の付着と設置時の人為的ミスです。最も多い失敗パターンが、アリの巣コロリを置く直前や直後に、周囲へ一般的なピレスロイド系殺虫スプレーを散布してしまうケースです。ピレスロイド系薬剤には強力な「忌避性(虫が嫌がって逃げる性質)」があるため、容器にわずかでも成分が付着すると、アリは警戒して二度と近寄りません。また、設置時に素手でベイト剤に触れたり、油分や洗剤のついた手で容器を触ることも、アリに危険を察知させる寄り付かない原因となります。

第3の盲点は、対象がアリではなく「シロアリ」であるケースです。住宅の床下や柱の隙間から発生した害虫を黒いアリと誤認し、アリの巣コロリを設置して「全く効果がない」と嘆く被害者が後を絶ちません。生物学的に、クロアリはハチの仲間(ハチ目)ですが、シロアリはゴキブリの仲間(ゴキブリ目)であり、食性も社会構造も完全に異なります。アリの巣コロリのシロアリに対する効果は一切ありません。木材を加害するシロアリには木材腐朽対策や専用のベイト工法が必須であり、市販のクロアリ用毒餌で時間を浪費することは建物の致命的な損壊を招く危険を孕んでいます。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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