9月の誕生石に異変?サファイアと新定番クンツァイトの真相【2026】
9月の誕生石に異変?サファイアと新定番クンツァイトの真相【2026】とはどのようなものなのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
日本のジュエリー史において象徴的な転換点となったのが、日本ジュエリー協会(JJA)および全国宝石卸商協同組合による誕生石の公式発表です。1958年に制定されて以来、長らく固定されていた誕生石リストが改定され、実に63年ぶりの大改革として市場に大きな波紋を広げました。
全国の百貨店バイヤーや宝飾関係者の間でも「なぜ9月にクンツァイトなのか」という疑問が一時飛び交いました。調査を進めると、そこには単なるマーケティングを超えた、学術的・歴史的な必然性が浮かび上がってきます。
最大の理由は、1902年にアメリカ・カリフォルニア州でこの鉱物を同定した世界的鉱物学者、ジョージ・フレデリック・クンツ博士(George Frederick Kunz)の誕生日が9月29日であったことです。クンツ博士は当時、高級宝飾店ティファニーの主任宝石鑑定士として数々の新種宝石を世に送り出した伝説的権威であり、彼への最大級のリスペクトがこの月に託されました。
さらに、日本の気候風土との調和も大きなファクターです。残暑が和らぎ、夕暮れの空がほのかに紫色を帯びる9月の情緒に、スポジュメン(リシア輝石)特有のライラックピンクが見事に重なり合います。従来の「9月=深い青」という固定観念を拡張し、秋の訪れに寄り添う新たな選択肢としてクンツァイトは迎え入れられました。