逮捕=有罪ではない|推定無罪の原則と実名報道・ネット私刑の罠
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Q1:警察に逮捕されただけで、勤務先から懲戒解雇されるのは法的に正当ですか?
A1:原則として、逮捕された事実のみを理由とする懲戒解雇は無効となる可能性が極めて高いです。推定無罪の原則に照らし、罪が確定していない段階での解雇は労働契約法第16条の「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」権利濫用と判断される判例が多く存在します。ただし、長期の身柄拘束で業務に重大な支障が出た場合や、企業の社会的信用を著しく失墜させた特段の事情がある場合は、自宅待機命令や休職扱いなどの対応が取られるのが一般的です。
Q2:不起訴処分や無罪になった場合、過去のネットニュースやまとめ記事を削除させることはできますか?
A2:削除請求や検索結果からの非表示を求める法的手続きが可能です。最高裁の判例に基づき、事件の公共性・公益性よりも個人の更生やプライバシー保護が優越すると判断された場合、プロバイダや検索エンジンに対して削除命令が出されます。しかし、海外サーバーを経由した悪質な転載サイトや個人ブログなどは対応が難航することも多く、完全に痕跡を消し去るには多大な時間と弁護士費用を要するのが実情です。
Q3:なぜ日本は海外のように、被疑者の実名報道やマグショット(顔写真)公開を制限しないのですか?
A3:欧州(ドイツやフランスなど)では厳格なプライバシー保護法やメディア法により、有罪確定前の実名報道や顔写真の公開が原則禁止されています。一方、日本においては憲法第21条が保障する「表現の自由」「報道の自由」が極めて重視されており、メディアの自主規制に委ねられているためです。近年は日本弁護士連合会などを中心に「起訴前の原則匿名報道」を求める提言が繰り返しなされていますが、マスコミ側の反発もあり法制化には至っていません。