史記『鴻門の会』徹底解説!項羽が劉邦を逃した真相と心理戦の全貌
史記『鴻門の会』徹底解説!項羽が劉邦を逃した真相と心理戦の全貌の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。
高校の古典・漢文の授業および大学入学共通テストにおいて、『鴻門の会』は最頻出分野の一つです。押さえるべき重要句法、書き下し文、現代語訳を整理しました。
1. 范増の怒りと殺意の場面
【白文】
范増数目項王、挙所佩玉玦以示之者三。項王黙然不応。
【書き下し文】
范増数(しばしば)項王を目(もく)し、佩(お)ぶる所の玉玦(ぎょくけつ)を挙げて以て之に示すこと三(みた)びす。項王黙然として応ぜず。
【現代語訳】
范増は何度も項王に目くばせし、腰につけていた玉玦を持ち上げて示すことを三度も行った。しかし項王は黙り込んだままで応じなかった。
【重要ポイント】
「目す」は名詞「目」が動詞化(目くばせする)した重要語。「佩ぶる所の玉玦」の「所」は修飾構造を作る働き。「数」の読み(しばしば)も頻出です。
2. 樊噲の弁舌と反語句法
【白文】
臣死且不避、卮酒安足辞。
【書き下し文】
臣死すら且(か)つ避けばず、卮酒(ししゅ)安(いず)くんぞ辞するに足らんや。
【現代語訳】
私のような臣下は死ぬことすら避けない覚悟です。どうして大杯の酒ごときを断る必要がありましょうか(絶対に辞退などしません)。
【重要ポイント】
「安〜(反語):安くんぞ〜んや(どうして〜だろうか、いや〜ない)」の超重要構文。「死且不避」の「且」は「〜すら、〜さえ」という添加・強調の副詞です。
3. 劉邦の脱出と張良の後始末
【白文】
沛公起如厠、因招樊噲出。
張良留謝。沛公謂張良曰、「度我至軍中、公乃入。」
【書き下し文】
沛公起ちて厠(かわや)に如(ゆ)き、因(よ)りて樊噲を招きて出づ。
張良留まりて謝す。沛公張良に謂(い)ひて曰はく、「我が軍中に至るを度(はか)りて、公乃(すなは)ち入れ」と。
【現代語訳】
沛公(劉邦)は席を立って便所へ行き、そのついでに樊噲を呼び寄せて外へ出た。
張良は宴席に留まって謝罪役を務めた。沛公は張良に言った、「私が陣営に帰り着く時間を逆算して見計らってから、中に入ってくれ」と。