栗原はるみ流アップルパイの真髄|黄金比と失敗知らずの隠し味
栗原はるみ流アップルパイの真髄|黄金比と失敗知らずの隠し味の見逃せないポイントを一挙に解説しました。
NHK『きょうの料理』や各種メディアで紹介され、初心者から絶大な支持を集めているのが「型なしアップルパイ」の技法です。専用のパイ型やタルト型を持っていなくても、オーブンシートの上に直接パイ生地を広げて焼くだけで、まるでフランスの田舎町にあるブーランジェリーのような風情あるパイが完成します。
1. 下準備とスライスの厚み
紅玉は皮をむき(色合いを生かすために一部皮を残すのも可)、縦4等分または6等分のくし形に切って芯を除きます。ポイントは、厚みを5mm前後に均一に切り揃えることです。薄すぎると加熱で溶けて水っぽくなり、厚すぎると火の通りが甘くパイ生地と一体化しません。
2. 生地の成形と「型なし」レイアウト
解凍した冷凍パイシートを麺棒で約2mm〜3mm厚さに伸ばし、フォークで全面に空気穴(ピケ)を均等に開けます。天板にクッキングシートを敷き、生地の中央部にスライスしたりんごを放射状または美しく重ねながら並べます。このとき、生地の外周2〜3cmには余白を残すのが決定的なコツです。並べ終えたら、周囲の生地を内側へ不規則に折り込み、りんごを包み込む土手を作ります。
3. カスタードクリームをあえて敷かない理由
アップルパイのレシピ検索において「カスタードクリームを敷くべきか」という疑問が頻出します。一般的な洋菓子店では、りんごから出る果汁を吸わせるため、あるいは濃厚なコクを補うためにカスタードやアーモンドクリームを敷き詰めることが珍しくありません。しかし、栗原はるみの基本レシピではカスタードを意図的に排除しています。
その理由は、カスタードを入れることで口当たりが重くなり、りんご本来の爽快な酸味と香りがマスキングされてしまうからです。もし底面の湿気が気になる場合は、カスタードの代わりに「少量のパン粉」や「砕いたビスケット」、「アーモンドパウダー」を生地に薄く敷き詰める手法が推奨されます。これにより、余分な果汁を受け止めつつパイの軽快なサクサク感を維持できます。
4. 焼成の温度管理(2段階ベイク)
オーブンは必ず200℃に予熱しておきます。成形したりんごの上にグラニュー糖をふり、冷たい無塩バターを小さくちぎって散らし、折り込んだ生地のフチに溶き卵を刷毛で塗ります。まず200℃で約20分焼き、パイの層を一気に立ち上げます。その後、180℃に温度を下げてさらに20〜25分じっくり焼き込み、りんごの芯まで甘みを凝縮させます。