オストワルト法の反応式を完全攻略!全体式の作り方と計算問題の罠

オストワルト法の反応式を完全攻略!全体式の作り方と計算問題の罠にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

オストワルト法の反応式が覚えられない最大の理由は、3つの独立した化学変化を単なる文字列として詰め込もうとする点にあります。この製法は、アンモニア(NH₃)を酸化して最終的に硝酸(HNO₃)へと変換する3段階の反応機構で構成されています。それぞれの化学的意義と係数の合わせ方を順に整理します。

【第1段階:アンモニアの接触酸化】
アンモニアと空気(酸素)の混合気体を、加熱した白金触媒(Pt)に通すことで、一酸化窒素と水蒸気を生成します。
4NH₃ + 5O₂ → 4NO + 6H₂O
窒素の酸化数は -3 から +2 へと大きく増加します。Pt触媒が存在しないと、アンモニアは単に燃焼して無害な窒素分子(N₂)と水になってしまい、硝酸の原料が得られません。触媒の選択がプロセスの成否を分ける決定打です。

【第2段階:一酸化窒素の酸化】
得られた一酸化窒素を冷却し、空気中の酸素と反応させて二酸化窒素にします。
2NO + O₂ → 2NO₂
無色の一酸化窒素が、赤褐色の二酸化窒素へと速やかに酸化される反応です。この反応は常温で自発的に進行します。

【第3段階:二酸化窒素の水への吸収】
二酸化窒素を水に吸収させることで、目的物である硝酸を生成します。
3NO₂ + H₂O → 2HNO₃ + NO
工業的には温水(または加圧下で気流を通す温水系)を用いることで、副生する一酸化窒素を気体として系外へ追い出し、これを第2段階へ回収して循環再利用します。

【全体の反応式の作り方:中間体の消去】
試験で頻出する「全体の化学反応式を書きなさい」という設問は、第1式〜第3式を連立方程式のように足し合わせて、途中で生じる中間生成物(NOとNO₂)を完全に消去する作業に他なりません。

具体的には以下の手順を踏みます:
1. 第3式で発生するNOを消すため、第3式全体を2倍する:6NO₂ + 2H₂O → 4HNO₃ + 2NO
2. 第2式でNO₂の数を合わせるため、第2式全体を3倍する:6NO + 3O₂ → 6NO₂
3. 第1式「4NH₃ + 5O₂ → 4NO + 6H₂O」と、変形した第2式・第3式をすべて合算する。
左辺と右辺で重複する 6NO₂、6NO(右辺の4NO+2NOと相殺)が綺麗に消去され、残る水(H₂O)を整理すると以下の式が得られます:
4NH₃ + 8O₂ → 4HNO₃ + 4H₂O
両辺を4で割ると、極めてシンプルな全体式が完成します。
NH₃ + 2O₂ → HNO₃ + H₂O

この全体式さえあれば、原料であるアンモニアと生成する硝酸の量的関係が一目瞭然となります。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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