神の繊維ビキューナとは?1着数百万円もする理由とカシミヤ超えの正体
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ビキューナ製品が桁外れに高価である最大の理由は、絶対的な供給量の少なさと厳正な国際管理にあります。
無秩序な乱獲が続いた結果、20世紀半ばには生息数が約5,000頭未満にまで激減し、絶滅寸前に追い込まれました。事態を重く見た国際社会は1975年、ワシントン条約(CITES)附属書Iにビキューナを掲載し、国際取引を全面的に禁止する厳しい保護措置を講じました。
その後、ペルー政府や地元コミュニティ、そしてイタリアの名門テキスタイルメーカーであるロロ・ピアーナ(Loro Piana)をはじめとする高級メゾンが主導し、野生復帰と保護プログラムが本格化しました。民間保護区の設立やチャク儀式の復活により、現在では個体数が回復傾向に転じ、厳格な登録番号(CITES認証タグ)が付与されたものに限り、正規の商業流通が一部認められています。
それでもなお、家畜化が不可能な野生種であるビキューナは、2〜3年に1度しか毛を刈ることができず、1頭から採取できる原毛はわずか約200g〜250g程度です。不純物を取り除くと製品に使える毛は100g前後まで減少し、コート1着を作るためには約25〜35頭分ものフリースが必要となります。この極限の希少性と厳密なトレーサビリティ管理が、数百万単位の価格を形作っています。