松方弘樹の遺産と巨額借金の真相|子供たちの相続放棄と事実婚の現在
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松方弘樹さんが逝去した直後、ワイドショーや女性週刊誌では「残された遺産は十数億円にのぼるのではないか」「遺産を巡る骨肉の争奪戦が始まる」といった観測が盛んに報じられました。映画1本のギャラが数千万円、最盛期の推定年収は3億円から5億円に達していたとされ、京都や東京の不動産、さらには1本数千万円の値がつく巨大マグロを釣り上げる専用クルーザーなど、目に見える資産は余りにも豪華だったためです。
しかし、実際の金庫を開けて明らかになったのは、世間の予想を根底から覆す衝撃の財務状況でした。関係者の証言や芸能リポートによれば、プラスの財産として評価できる現金や預貯金はほとんど底をついており、むしろ残されていたのは推定数億円にのぼる巨額の借金でした。
昭和の映画界の流儀を貫いた松方さんは、「宵越しの銭は持たない」を地で行く豪放磊落な性格で知られていました。映画製作への巨額出資、後輩俳優やスタッフへの惜しみない飲食の振る舞い、そして趣味のマグロ釣りに投じた数億円単位の経費など、入る金も桁違いなら出る金も天文学的だったのです。晩年は病魔との闘いによる長期入院費も重なり、負債が資産を完全に上回る「債務超過」状態に陥っていました。
民法第915条が定める「相続の開始を知った時から3か月以内」という猶予期間のなかで、法定相続人である子供たちが下した決断が「相続放棄」でした。プラスの遺産を放棄する代わりに、故人が抱えていた数億円の負債も一切引き継がないという法的手続きです。この選択によって、「遺産を巡る親族の争い」という世間の下馬評は、実際には「負債から身を守るための全員一致の撤退」という現実で幕を閉じました。