劇団ひとりの昔が超イケメン?コンビ時代と知られざる壮絶な下積み

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暗闇のドン底にいた彼を救い出したのは、皮肉にも自らの「弱さや恥部」を極限まで晒し出す覚悟でした。ピン芸人として再スタートを切った劇団ひとりは、従来の漫談スタイルを捨て去り、狂気を孕んだキャラクターになりきる「憑依型コント」へと舵を切ります。

テレビ関係者やバラエティ制作の現場が彼の異能に気づいたのは、2000年代初頭のことです。『めちゃ×2イケてるッ!』のコーナー「笑わず嫌い王決定戦」や、『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』のドッキリ企画などで見せた、号泣しながら理不尽な状況に抗議する「泣き芸」は、日本中のお茶の間を震撼させました。恥も外聞もかなぐり捨て、顔面を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら叫ぶ姿は、かつての「シュールな美形若手芸人」の残影を完全に消し去る決定打となったのです。

その鬼気迫る人間観察力は、やがて活字の世界へと溢れ出します。2006年に幻冬舎から上梓した処女小説『陰日向に咲く』は、秋葉原のアイドルオタク、売れない漫才師、崖っぷちのホームレスなど、社会の片隅で懸命にもがく不器用な人々を描き出し、発行部数100万部を突破するミリオンセラーを記録。映画化も果たし、文壇に大きな衝撃を与えました。

さらに表現欲は留まることを知らず、2014年には自らメガホンを取った映画『青天の霹靂』で映画監督デビュー。2021年にはビートたけしの原点を描いたNetflix映画『浅草キッド』の監督・脚本を担当し、国内外の映画賞や配信チャートを席巻しました。芸人の哀愁を描き切る圧倒的な演出力は、彼自身が舐め尽くしてきた「下積みの酸いも甘いも知る者」にしか到達できないリアリズムの結実でした。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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