急増する日本のイスラーム礼拝所|一般見学の作法と共生現場の真実

急増する日本のイスラーム礼拝所|一般見学の作法と共生現場の真実に関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

一般に広く親しまれている「モスク」という呼称は、アラビア語の「マスジド(Masjid)」が英語やフランス語などを経由して定着した西洋起源の言葉です。語源を遡ると、アラビア語で「サジュダ(ひれ伏す)をする場所」を意味し、神(アッラー)の前に額を地面につけて平伏する礼拝空間の本質を表しています。学術的・宗教的な語義において両者に本質的な隔たりはありませんが、金曜礼拝を実施できる大規模な集会用モスクを特に「ジャーミイ(Jāmiʿ)」と呼び分けるのが伝統的な慣例です。

文化庁の宗教統計や多文化共生研究者の追跡データによると、日本国内のモスク一覧に登録される常設拠点は2000年代初頭の約20カ所から急速に拡大し、現在では40都道府県・130カ所以上に達しています。かつては東京や神戸といった国際港湾都市に集中していましたが、現在は自動車産業や製造業が盛んな愛知県、群馬県、茨城県、埼玉県などの郊外ロードサイドに、中古ビルや倉庫、空き工場をリノベーションした地域密着型のマスジドが数多く誕生しています。

礼拝所建築の内部には、どの施設にも共通する決定的な装置が存在します。それが聖地メッカの方向を示す壁面の窪み「ミフラーブ」です。信徒はキブラ(メッカの礼拝方角)に向かって等間隔に整列し、一体となって祈りを捧げます。さらに、礼拝の前には心身の穢れを落とす儀礼的な洗浄が不可欠とされており、専用の足洗い場を備えた設備でウドゥ(小浄)の手順――手、口、鼻、顔、腕、頭、耳、両足を決められた順序で水清める行為――を行うための水回り環境が必ず併設されています。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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