腹水セルフチェックと脂肪の見分け方!急なお腹の張りに潜む病気と受診目安

今注目を集めている 腹水セルフチェックと脂肪の見分け方!急なお腹の張りに潜む病気と受診目安について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

腹水は独立した病名ではなく、あくまで何らかの基礎疾患が引き起こす「身体の破綻シグナル」です。背景に潜む病気は多岐にわたりますが、臨床上特に多い原因は以下の3つに集約されます。

1. 肝硬変による腹水症状(門脈圧亢進症と低アルブミン血症)

肝炎ウイルスの持続感染や長年の過度な飲酒、あるいは近年急増している非アルコール性脂肪肝炎(MASH)が悪化すると、肝細胞が線維化して「肝硬変」へと移行します。肝臓が硬くなると、腸から肝臓へ血液を送る「門脈」の圧力が異常に跳ね上がります(門脈圧亢進)。同時に、肝臓のタンパク合成能力が衰えて低アルブミン血症に陥るため、逃げ場を失った水分が腹腔内へ大量に染み出してしまいます。黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)や手のひらが赤くなる手掌紅斑を伴うことも珍しくありません。

2. がん性腹膜炎の初期サイン

胃がん、大腸がん、膵臓がん、あるいは卵巣がんなどの悪性腫瘍が進行し、がん細胞が腹腔内に種を蒔くように散らばる現象を「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」と呼びます。がん細胞が腹膜を刺激して激しい炎症反応を引き起こし、毛細血管の壁を破壊して浸出液を分泌させることで腹水が急増します。がん性腹膜炎による腹水はタンパク質や細胞成分が多く、時には血液が混ざることもあります。食欲不振、急激な体重減少、微熱を伴いながらお腹だけが張る場合は一刻を争う精査が必要です。

3. うっ血性心不全とネフローゼ症候群

心臓のポンプ機能が著しく低下する心不全では、全身から心臓へ戻る静脈血が鬱滞し、血管内の圧力が高まって腹水や激しい下肢浮腫を誘発します。また、腎臓の糸球体フィルターが壊れて尿中に大量のタンパク質が漏れ出てしまうネフローゼ症候群でも、極度の低アルブミン血症から腹水が引き起こされます。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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