日本オリンピック委員会の実態と暗闘|歴代会長の功罪と組織改革の全貌
日本オリンピック委員会の実態と暗闘|歴代会長の功罪と組織改革の全貌の全体像を分かりやすくまとめてご紹介します。
スポーツ界の頂点として混同されがちな二大組織が、日本オリンピック委員会(JOC)と日本スポーツ協会(JSPO)です。この2つの団体の違いを正確に把握することは、日本のスポーツ界の力学を読み解く上で欠かせません。
もともとJOCは、1911年に嘉納治五郎が設立した「大日本体育協会(現JSPO)」の内部組織として発足しました。しかし、国際競技力の向上とオリンピック派遣業務の専門化、そして商業化の波に対応するため、1989年に財団法人として完全独立を果たしました。この分離独立こそが、日本のエリートスポーツ政策が大きく舵を切った歴史的転換点でした。
両者の決定的な差異は、そのミッションと対象とするプレイヤー層にあります。日本オリンピック委員会の役割は、オリンピックをはじめとする国際総合競技大会への日本代表選手団の編成・派遣、強化拠点の運営(味の素ナショナルトレーニングセンターなど)、そしてオリンピック・ムーブメントの推進に完全に特化しています。いわば「選ばれしトップ0.01%のエリートアスリート」のための統括機関です。
一方の日本スポーツ協会(JSPO)は、国民体育大会(現・国民スポーツ大会)の主催、スポーツ少年団の育成、公認スポーツ指導者の認定など、全国民の「生涯スポーツ振興」と地域スポーツの基盤整備を主軸としています。両者は現在も「岸記念スポーツハウス」の系譜を継ぐ「JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE」(東京都新宿区霞ヶ丘町)に同居していますが、組織の設立理念も財源の構造も大きく異なっています。