かもめんたる・う大が「天才」と称される理由|演劇と賞レースの現在地
今注目を集めている かもめんたる・う大が「天才」と称される理由|演劇と賞レースの現在地について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。
お笑い界において「天才」という呼称はしばしば手軽に使われがちですが、岩崎う大に向けられるその賛辞は、芸人仲間だけでなく現代演劇の劇作家や文芸批評家からも一貫して寄せられています。その核心にあるのは、「人間の業(ごう)やエゴイズム、日常に潜む違和感を台詞と身体表現へと還元する卓越した解像度」です。
彼のバックボーンを語る上で欠かせないのが、名門・早稲田大学法学部卒という学歴です。早稲田大学のお笑いサークル「WAGE(ワゲ)」に所属し、小島よしお氏らと共に学生プロとして活動を始めた経歴を持ちます。当時からシチュエーションの骨組みを理論的に組み立てる論理的思考力に長けており、それが単なるナンセンスやドタバタにとどまらない、重層的なドラマツルギー(作劇術)の土台となりました。
2013年のキングオブコントで歴代屈指の高得点を叩き出した優勝ネタ「言葉のドッジボール」や「白い靴下」を振り返ると、その特異性が際立ちます。う大が演じる人物は、決して絵に描いたような怪物ではありません。一見すると常識人の皮を被りながら、自身の小さなプライドや被害妄想、他者への支配欲を巧妙に隠蔽しようとして綻びを見せる人物です。日常の会話がわずか1ミリずつ狂っていくズレを観客に提示し、笑いと同時に背筋が寒くなるような居心地の悪さを体感させる。この「笑いと恐怖の紙一重の緊張感」をコントロールできる作家は、日本のお笑いシーンにおいて極めて稀です。