躯体とは?建築の骨格と仕上げの違いや改修厳禁の理由を徹底解剖

躯体とは?建築の骨格と仕上げの違いや改修厳禁の理由を徹底解剖の背景について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。

近年、リノベーション市場で熱狂的な支持を集めているのが、天井や壁の石膏ボードを取り払い、コンクリート打ち放しの下地をあえてむき出しにする「躯体現し(くたいあらわし)」です。カフェのようなインダストリアルデザインや無骨なヴィンテージ感を演出し、天井高を20〜30cm高く確保できる手法として、20〜30代の一次取得層を中心に大人気となっています。

しかし、意匠的な魅力だけに目を奪われて躯体現しを採用すると、住み始めてから極めて深刻な住環境の悪化に苦しむケースが現場取材で浮き彫りになっています。

断熱材撤去による「熱橋(ヒートブリッジ)」とカビの猛威

最大の落とし穴は、温熱環境の急激な悪化です。通常、マンションの内装はコンクリート躯体の内側に発泡ウレタンなどの断熱材を吹き付け、その上に石膏ボードを施工することで外気温を遮断しています。

躯体現しにするために外壁に面する断熱層まで撤去してしまうと、冬場は外の冷気がコンクリートを通じてダイレクトに室内に伝わる「熱橋(ヒートブリッジ)現象」が発生します。その結果、以下の弊害が一気に表面化します。

  • 激しい表面結露:冬の朝、むき出しのコンクリート壁全面に水滴が滝のように流れ落ち、壁際の本棚や家具がカビまみれになる。
  • 冷暖房効率の破綻:エアコンをフル稼働させても室温が上がらず、光熱費が施工前の1.5〜2倍近くに跳ね上がる。
  • 遮音性の低下:二重天井を解体してスラブを現しにしたことで、上階の足音や水回り配管の流水音が直に響くようになる。

一級建築士の取材証言によれば、「外壁側が外断熱工法になっている先進的なRCマンションであれば内側の躯体現しは有効です。しかし、日本の既存マンションの95%以上を占める内断熱工法の物件で外壁側の断熱材を剥がすのは、自ら断熱放棄するような自殺行為に等しい」と断言します。躯体現しを取り入れるなら、外壁に接しない「住戸間の戸境壁」や「天井の一部」に限定するなどの高度な設計配慮が不可欠です。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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