画狂老人卍の真実!葛飾北斎が晩年に辿り着いた絵画の極致とは
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版画で頂点を極めた北斎が晩年に没頭したのが、自らの手で直接絹や紙に筆を走らせる肉筆画の世界だった。浮世絵師としての商業的な成功を投げ打ち、老いた身体に鞭打って描かれた肉筆の傑作群は、静謐でありながら狂気すら孕んだ美しさを放つ。
最晩年の傑作『富士越龍図』を見よ。黒煙を上げて霊峰・富士を駆け上る龍の姿は、まさしく90歳を迎えた北斎自身の魂の昇天を描いたかのようだ。脳卒中を患い、手が震えてもなお筆を離さなかった男の執念。彼が命を削って描いた肉筆画には、下絵の墨線一本にまで魂が宿っている。