宇多田ヒカル「花束を君に」朝ドラ主題歌の知られざる制作秘話

宇多田ヒカル「花束を君に」朝ドラ主題歌の知られざる制作秘話にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

音楽シーンの第一線から距離を置き、ロンドンで穏やかな日常を送っていた宇多田ヒカル。彼女のもとへNHKから主題歌制作の打診が届いたのは、彼女自身が母となり、人生の大きな岐路に立たされていた時期だった。ドラマ『とと姉ちゃん』は、戦後復興期に『暮しの手帖』を立ち上げた大橋鎭子と花森安治の奮闘劇をモチーフに、暮しの手帖社が歩んだ軌跡を描く一大巨編。制作陣が求めたのは、よくあるタイアップ用のポップソングではなかった。泥臭い日常を生きる人々への讃歌であり、同時に圧倒的な包容力を持つ旋律だ。

所属のソニー・ミュージックレーベルズにとっても、この復帰劇は極めて重要な意味を持っていた。長らく沈黙を守っていた彼女が、日本の朝の顔である『連続テレビ小説』のテーマ曲で活動を再開するというニュースは、テレビ放送業界のみならず社会全体に激震を走らせた。スタジオに届いたばかりのデモ音源を聴いたドラマ関係者が、その圧倒的な完成度と切なさに言葉を失ったというエピソードは、今や音楽ファンの間で伝説となっている。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest