血の日曜日から現代の火種へ:北アイルランド紛争の知られざる全貌
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1980年代に入ると、戦場は鉄格子の奥へと移る。メイズ刑務所に収監されたIRA兵士たちは、自らを一般の犯罪者ではなく「政治犯」として扱うよう要求し、過酷な闘争を開始した。その先頭に立ったのが若干27歳の青年、ボビー・サンズである。
彼は獄中から英議会補欠選挙に出馬して当選を果たし、世界中に大きな衝撃を与えた。しかし、当時のサッチャー英首相は「犯罪は犯罪であり、政治ではない」と冷徹に拒絶。サンズは絶食66日目に餓死を遂げ、続いて9人の仲間が命を落とした。この極限の犠牲は、世界各国のメディアを揺るがし、武装闘争一辺倒だった運動を政治路線へと押し広げる契機となる。のちに和平を主導することになるシン・フェイン党が、議会政治の表舞台で発言力を確立する転換点となった。