難波の川沿いに潜む船?老舗純喫茶『珈琲艇キャビン』のレトロな誘惑
難波の川沿いに潜む船?老舗純喫茶『珈琲艇キャビン』のレトロな誘惑についての真相をお届けします。
階段を下り、あるいは狭い廊下を進むと、そこには船舶のキャビン(客室)そのものの世界が広がる。丸窓のフレーム、真鍮のランプ、使い込まれて深い光沢を放つマホガニー調のテーブル。細部にまで徹底された造り込みは、単なる店舗内装の域を超え、もはや一つの美術作品だ。昭和レトロ建築の意匠が随所に散りばめられ、当時の職人がいかに情熱を注ぎ込んだかが肌で感じられる。
船底を思わせるやや低めの天井が、不思議な包容力を生み出している。カウンター越しにマスターがサイフォンを揺らす姿は、大海原を行く船長そのものだ。格子窓から差し込む柔らかい光を感じながら琥珀色の液体を口に含めば、ここが大阪の真ん中であることを完全に忘れてしまう。