即位とは何か?即位の礼との違いや儀式の全貌を専門記者が徹底解説

即位とは何か?即位の礼との違いや儀式の全貌を専門記者が徹底解説の背景について、最新情報を基に徹底解説します。

ネット上の掲示板やSNSでは、「即位したのに、なぜ即位礼正殿の儀まで1年近く間が空くのか」「すぐにお祝いしないのは不自然ではないか」といった疑問が散見されます。しかし、歴史と制度の観点を検証すると、そこには明確な合理性と伝統的ルールが存在します。

第一の理由は「服喪期間(諒闇=りょうあん)」です。旧来の崩御に伴う皇位継承では、先帝が崩御されてから1年間は喪に服す慣例がありました。皇室における最大の祝典を「大典(たいてん)」と呼ぶのに対し、君主の葬儀は「大喪(たいそう)」と呼ばれます。大喪の礼が終わっていない喪中の期間に、華やかな即位の礼を行うことは固く戒められてきました。事実、上皇明仁の即位の礼は、1989年(昭和64年)1月7日の即位から約1年10ヶ月後となる1990年(平成2年)11月12日に挙行されています。

第二の理由は、国際的な外交準備の物理的限界です。旧登極令の時代、即位礼は「京都皇宮の紫宸殿において挙行する」と定められていましたが、現行制度下では皇居・宮殿が会場となっています。世界各国から国家元首クラスを招待し、警備体制を構築し、大嘗祭の仮設社殿である大嘗宮を建設するには、最短でも半年から1年以上の準備期間を要します。退位特例法によって事前に期日が確定していた令和の代替わりであっても、5月1日の即位から即位礼正殿の儀(10月22日)まで約5カ月の期間が設けられました。

もう一つの誤解として「三種の神器をその目で確認した人がいるのか」という点があります。剣璽等承継の儀で運ばれる草薙剣と八尺瓊勾玉は、厳重な箱に収められた「御筥(おはこ)」の状態で引き継がれ、新天皇ご自身であっても中身を直接見ることはありません。形代(レプリカ)であっても不可視の神聖性を保持し続ける点に、日本固有の儀礼文化の特異性があります。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest