馬の歯で年齢や健康が丸わかり?驚きの構造とケアの全貌を徹底解剖

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競馬のセリ市や伝統的な馬市において、ベテランの調教師やバイヤーがまず馬の口を開けて確認するのが「馬齢鑑定(ばれいかんてい)」です。戸籍やマイクロチップによる個体識別が普及した現代でも、歯の状態から年齢を読み解く技術は獣医学の基礎として重視されています。

なぜ歯を見るだけで年齢がわかるのか。その鍵は、馬の歯が「高冠歯(こうかんし)」と呼ばれる特殊な構造を持ち、一生を通じて顎の骨の中から歯が萌出(ほうしゅつ=押し出され)し続ける点にあります。馬は硬い繊維質の草を毎日何時間も咀嚼するため、歯の表面が年間約2〜3mmすり減っていきます。これに合わせて、歯根側から同等のスピードで新しい歯組織が押し出され続ける仕組みになっています。

鑑定では、主に以下の3つの変化指標を観察します。

1. 乳歯から永久歯への生え変わり(0〜5歳):
人間の子供と同様に生え変わりの時期が厳密に決まっています。中央の門歯(鉗子歯)は2歳半、その隣(中間歯)は3歳半、外側(隅歯)は4歳半頃に永久歯へ抜け替わり、5歳で全ての永久歯が揃って「くわえ完成」となります。

2. 切歯の咬合面にある「黒窩(こくか / インファンディブラム)」の消失(6〜11歳):
門歯の噛み合わせ面には、中心部に黒いくぼみ(黒窩)が存在します。これが日々の咀嚼ですり減り、下顎の中央門歯で6歳、中間歯で7歳、隅歯で8歳頃に底をついて消失します。上顎も同様に9〜11歳頃にかけて消えていきます。

3. 噛み合わせの角度と「ガルベイン溝」(10歳〜高齢):
若い馬の門歯は上下が垂直に近い角度で噛み合いますが、加齢とともに歯が前方へ突き出し、鋭角(くの字型)に傾いていきます。また、上顎の隅歯の表面に10歳頃から縦の溝(ガルベイン溝)が現れ、15歳で歯の中央まで達し、20歳で歯全体に伸びるため、高齢馬の年齢を見極める決定的な指標となります。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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