絵でわかるサイコパス診断の真相|一般人と答えが真逆になる理由

絵でわかるサイコパス診断の真相|一般人と答えが真逆になる理由に関する主要なデータを詳しく解説いたします。

「絵を見て本性を暴く」というアイデアは、ネット時代に突如として生まれたわけではありません。その源流には、1921年にスイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハが開発した「インクブロットテスト(ロールシャッハ・テスト)」の歴史が存在します。

ロールシャッハテストは、左右対称のインクの染みが何に見えるかによって被験者の無意識の葛藤や知覚の統合力を探る投映法検査です。第二次世界大戦後、ニュルンベルク裁判にかけられたナチス戦犯たちに対して精神医学的な検査が実施され、その際にロールシャッハテストが用いられたことが「絵によって凶悪な犯罪者の精神構造を暴き出す」というパブリックイメージを決定づけました。

しかし、ロールシャッハテストとサイコパス判定の経緯を科学史的に検証すると、決定的な事実に行き当たります。当時、一流の心理学者たちが戦犯たちのロールシャッハ結果を分析したものの、ナチス幹部たちに共通する特異な「サイコパス的インクパターンの見え方」を統計的に立証することはできませんでした。彼らの多くは、知能も高く、認知機能の面では驚くほど正常な反応を示したのです。

その後、犯罪心理学の世界的権威であるロバート・ヘア博士が1980年にPCL(Psychopathy Checklist)、1991年に改訂版であるPCL-Rを発表したことで、現代の精神医学界は「絵やインクを見るテスト」から「生涯にわたる具体的行動の追跡」へとサイコパシー研究の舵を完全に切りました。「絵やイラスト一枚でサイコパスかどうかを見分ける」という発想は、学問的には半世紀以上前に乗り越えられた過去の仮説であり、それが大衆文化やミステリー小説、そして現代のネットメディアへと移し替えられて都市伝説化したものが、今日のイラスト診断の正体です。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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