失敗しても役員は免責?「経営判断の原則」4つの要件と重要判例を徹底解説

失敗しても役員は免責?「経営判断の原則」4つの要件と重要判例を徹底解説の重要なポイントについて、最新情報を詳しくお届けします。

SNSやネット上のビジネスコミュニティ、法律相談スレッドなどでは、「経営判断の原則があるから、役員はどんなに事業を失敗させても法的には無傷だ」という誤った言説が散見されます。しかし、法務・ガバナンスの実務現場から見れば、これは極めて危険な誤解です。

第一に、法令違反行為には経営判断の原則は一切適用されません。粉飾決算、インサイダー取引、カルテル、脱税、あるいは労働安全衛生法を無視した過酷労働による重大事故など、企業利益を目的としていたとしても「違法行為」を選択した時点で、即座に善管注意義務・忠実義務違反が成立します。適法性の判断において、経営者の裁量は1ミリも存在しません。

第二に、意思決定プロセスが「集団浅慮(グループシンク)」に陥っていた場合、裁判所は非常に厳しい目を向けます。組織心理学において、カリスマ創業者やワンマン社長の意向に対し、取締役会のメンバー全員が同調圧力を受けて異論を挟まなくなる現象が知られています。議事録上は「全員一致で可決」と記載されていても、公判で「誰も反対できる雰囲気ではなかった」「精査した資料は配布されていなかった」といった証言が露呈すれば、取締役全員が連帯して任務懈怠責任を問われることになります。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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