カキツバタの花言葉に怖い意味はある?幸運を呼ぶ由来と見分け方を徹底解説

カキツバタの花言葉に怖い意味はある?幸運を呼ぶ由来と見分け方を徹底解説について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をお届けします。

カキツバタの花言葉である「幸運は必ず訪れる」「思慕」がこれほど強固に日本人の心に根付いている理由は、平安時代初期の歌物語『伊勢物語』第九段「東下り」の感動的なエピソードに由来します。

主人公(歴史上は稀代の歌人・在原業平と同一視される)は、都での政争や身分違いの恋に破れ、身を捨てて東国へと流浪の旅に出ます。その道中、三河国八橋(現在の愛知県知立市八橋町)に差し掛かったときのことでした。そこは川の流れが蜘蛛の足のように八方に分かれ、橋が八つ渡された入江の湿地であり、水辺には紫のカキツバタが目を見張るほど美しく咲き乱れていました。

同行者の一人が「カキツバタという五文字を各句の頭に据えて、旅の心を詠め」と所望したところ、業平が即座に詠み上げたのが、日本文学史に燦然と輝く次の名歌です。

「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」

歌の各句の頭文字を縦に並べると、「か・き・つ・ば・た」(唐衣/着つつ慣れにし/妻しあれば/はるばる来ぬる/旅をしぞ思ふ)という折句が見事に完成します。「幾度も身につけて柔らかく馴染んだ唐衣のように、長年連れ添って情愛を深めてきた妻を都に残しているため、遥か遠くまで来てしまったこの旅の侘しさが切実に身に染みる」という心情を詠んだこの歌に、旅の供の者たちは皆、携行していた乾飯(ほしいい)の上に涙をこぼし、飯がふやけてしまったと伝えられています。

どれほど都から引き離され、失意のどん底にあっても、最愛の妻との心の絆は決して断ち切られない。この哀悼と愛執を乗り越え、やがて運命が好転し、再び大切な者と結ばれるという希望の祈りこそが、のちに「幸運は必ず訪れる」「幸福が来る」という揺るぎない花言葉へと昇華したのです。

なお、漢字表記である「杜若」の読み方と由来についても深い歴史があります。本来「杜若(とじゃく)」とは中国における別種の薬草(ヤブミョウガの類)を指す漢名でしたが、日本において字面や響きの雅さからカキツバタに誤用されて定着しました。別表記の「燕子花」は、花の形が飛翔するツバメ(燕)の姿に似ていることに由来します。和名「カキツバタ」自体の語源は、花の汁を布に擦り付けて染料にした古代の習俗「掻付花(かきつけばな)」が転訛したものとされており、古来いかに人々の暮らしと密着した存在であったかを物語っています。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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