海の水はなぜしょっぱい?川との違いや塩分の起源を科学記者が徹底解明

海の水はなぜしょっぱい?川との違いや塩分の起源を科学記者が徹底解明の重要なポイントについて、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

ここで多くの人が抱くのが、「川の水が海に注ぎ込んでいるなら、なぜ川の水はしょっぱくないのか?」という至極当然の疑問です。海の水がしょっぱい真相を解き明かす鍵は、「蒸発」と「水循環」の非対称性にあります。

まず前提として、山に降った雨や雪は土壌や岩石の隙間をくぐり抜ける際、わずかながら岩石中のナトリウムやカルシウムといったミネラル成分を溶かし出しています。つまり、川の水は決して「純水(H2O)」ではなく、計測器にかければ塩分が検出されます。しかし、その濃度は前述の比較表の通りわずか0.01%前後に過ぎません。人間が「しょっぱい」と感じる味覚の境界線(感知閾値)は約0.05%以上とされており、川の水の塩分は人間の舌のセンサーを刺激するにはあまりにも薄すぎるため、「無味無臭の真水」として感じられるのです。

そして決定的な違いが、海に到達した後の出口です。川の水は常に上流から下流へと流動していますが、海は地球規模の水循環における「最終的な貯水池」です。太陽の熱によって海面から水が蒸発するとき、蒸発するのは純粋な「水分子(H2O)」だけであり、重い塩分やミネラルは海中にすべて取り残されます。蒸発した水分は雲となり、再び雨となって陸地に降り注ぎ、新たなミネラルを溶かして川から海へと運び続けます。このプロセスが何十億年ものあいだ繰り返された結果、海の中にだけ塩分が濃縮され続け、現在のようなしょっぱい海が完成したのです。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest