南野陽子の名曲がなぜ今刺さるのか?歴代ヒット曲と歌唱の真実を徹底解剖
南野陽子の名曲がなぜ今刺さるのか?歴代ヒット曲と歌唱の真実を徹底解剖についての疑問解決ガイドを徹底解説します。
南野陽子のディスコグラフィを語る上で欠かせないのが、名匠・萩田光雄によるアプローチです。萩田は彼女の初期から絶頂期のシングル・アルバムの編曲を数多く手がけ、歌謡曲の枠を超えたクラシカルなストリングスアレンジとヨーロピアンな陰影をサウンドに吹き込みました。
たとえば、1987年4月発売の『話しかけたかった』を聴くと、イントロから繊細なアコースティックギターとストリングスが絡み合い、Aメロ・Bメロ・サビへと至るコード進行に巧妙な変拍子と転調が散りばめられていることが分かります。歌詞で描かれる「通学路ですれ違う憧れの男子に声をかけられない少女の心の揺れ」を、萩田の構築的なサウンドが見事に補強し、聴き手に短編映画を観ているかのような情景を想起させます。
また、江崎グリコ『ポッキー』のCMソングとして親しまれた『秋からも、そばにいて』(1988年)では、都志見隆の切なくも力強い美メロと、伊藤アキラによる情緒豊かな詞世界が完璧なシンメトリーを描いています。CMで描かれた「ポッキー坂」の美しい紅葉風景とリンクしたこの楽曲は、秋をテーマにした80年代アイドル歌謡曲の最高傑作の一つとして、現在も音楽専門誌やレビューサイトで絶賛されています。
こうした職人技の詰まった楽曲群を手軽に体感するなら、まずは『南野陽子 ベストアルバム』(『GOLDEN☆BEST 南野陽子 ナンノ・シングルス』など)を聴くのが最適です。当時のアナログ録音ならではの生楽器のダイナミクスと、彼女の清楚な歌声が織りなすハーモニーは、現代のデジタルサウンドにはない温もりと贅沢さを備えています。