ムクドリを飼う前に知るべき法と覚悟、その鳥生を背負う重み
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ここからは、SNSや知恵袋、野鳥保護に携わる関係者への取材で見えてきた現場の声を検証する。「ムクドリ 飼育 体験談」として検索すると、ヒナを拾って保護した数日間の投稿が目立つが、その後の継続飼育について語る投稿は極端に減る。理由は単純だ。大半が「続かなかった」か「手放さざるを得なくなった」からである。
ある東京都内の元保護経験者は、ヒナを拾って自宅で3日間世話をした後、自治体を通じて保護団体に引き渡した。当時の心境をこう振り返る。
「最初はかわいいと思ったんです。でも、朝の5時から鳴き始めて、餌をねだる声が頭に響く。仕事もあるし、近所の目も気になった。何より、自分が法律違反をしているという事実が重かった。保護団体に渡したときは、正直ほっとしました」
この証言は特別ではない。保護団体の関係者によると、「ヒナを拾ってきたが飼えない」という相談は毎年春に一定数寄せられるという。中には「すでに数週間飼っている」というケースもあり、その時点で法的には違法状態が続いていることになる。行政側も積極的に摘発はしないが、だからといって合法になるわけではない。
一方で、幼い頃から手乗りで育てたムクドリは、人によくなつくという報告もある。実際に「ムクドリ なつく」という検索で出てくる動画には、肩に止まり、指から餌をついばむ姿が映る。鳥類に詳しい専門家は「ムクドリは頭がよく、個体によっては飼い主への愛着形成が見られる」としつつ、「それが一般家庭での飼育を推奨する理由にはならない」とくぎを刺す。なつくことと、適切に飼えることは別問題だ。