法螺貝の吹き方を完全攻略!音が出ない理由と唇のコツ・甲音乙音の極意
法螺貝の吹き方を完全攻略!音が出ない理由と唇のコツ・甲音乙音の極意の全貌を詳しく解説してご紹介します。
法螺貝の音色には、大きく分けて地を這うような重低音である「乙音(おつね/基音・低音)」と、天を突き抜けるような鋭い高音である「甲音(かんね/倍音・高音)」の2種類が存在します。この法螺貝の甲音と乙音の出し方をマスターして初めて、法螺貝奏者としての第一歩を踏み出したと言えます。
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乙音(低音)を出す際は、唇の中央を比較的ゆったりと保ち、口の中の容積を広げるイメージ(母音の「オ」や「ト」の口内形状)を作ります。息のスピードは緩やかに、太い息をゆったりと貝の奥深くまで送り込む感覚で吹くと、低く唸るような重厚な乙音が鳴り響きます。
対して甲音(高音)を出す際は、口角をさらにしっかりと締め、唇の振動面積をキュッと小さく絞り込みます。口内の容積を狭め(母音の「イ」や「テュ」の形)、舌の位置をやや高く設定した上で、下腹から押し出す息のスピード(風速)を一気に高めます。この息の圧力と唇のテンションの切り替えによって、指孔のない法螺貝からオクターブ以上の劇的な音程変化を生み出すことができます。
さらに、山伏修験道に伝わる法螺貝の鳴らし方には、「立て浪(たてなみ)」と「揺浪(ゆりなみ)」という代表的な奏法があります。法螺貝の立て浪と揺浪の吹き分けは儀礼の成否を分ける極めて重要な要素です。「立て浪」は乙音から甲音へと滑らかに、かつ力強く音を一気に立ち上げる直線的な吹き方です。一方の「揺浪」は、伸ばした音の最中に喉の開閉や腹圧の微細なコントロール、あるいは貝の内部に差し入れた右手の角度を変化させることで、波がうねるような豊かなビブラート(揺らぎ)を付加します。
法螺貝の音程の変え方と調律においては、右手を開口部(貝の内部)にどれだけ深く差し入れるかが音高(ピッチ)の微調整を担います。手を深く差し入れると空気の抜け道が狭まり音程が下がり、手を外側に出すと音程が上がります。天然素材ゆえに一本一本異なる個性を、自らの身体感覚と右手のコントロールで調律していく点に、法螺貝演奏の深淵な魅力が存在します。