日英同盟はなぜ結ばれ破棄されたのか?歴史の真相と現代の安保協定を解明
日英同盟はなぜ結ばれ破棄されたのか?歴史の真相と現代の安保協定を解明に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。今すぐチェックことができます。
日英同盟の解消を「英国の裏切り」と感情的に解釈する言説も散見されますが、国際政治学の基本理論である「同盟のジレンマ(Alliance Dilemma)」の視点を持つと、構造的な力学が明快に見えてきます。
同盟のジレンマには、常に以下の二つの恐怖が存在します。
- 巻き込まれ(Entrapment)の恐怖:同盟国の無謀な戦争や対外強硬策に引きずり込まれ、自国にとって不利益な戦いに巻き込まれるリスク。
- 見捨てられ(Abandonment)の恐怖:有事の際、同盟国が条約通りの支援を実行せず、自国を孤立させて見捨てるリスク。
大戦後の日英関係は、英国側にとって「対中・対米強硬姿勢を強める日本の軍事行動に巻き込まれる恐怖」が極限まで高まった時期でした。一方の日本にとっては、満洲権益の確保に理解を示さず、米国に迎合していく英国に対して「見捨てられの恐怖」を抱く構図となりました。
同盟というものは、共通の敵や明白な戦略的目標が失われた瞬間、急速に双方にとっての「足枷」へと変貌します。英国が同盟を解消したのは道義的な善悪ではなく、国際秩序の重心が欧州から太平洋へ、そして大英帝国から米国へとシフトした現実に対する、極めて合理的で冷淡な対応だったのです。