くるみ割り人形のキャンディボンボンとは?衣装の秘密と人気の理由を徹底解説
くるみ割り人形のキャンディボンボンとは?衣装の秘密と人気の理由を徹底解説の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』のあらすじにおいて、第2幕は主人公クララ(少女マリー)がネズミの王様との戦いに勝利したくるみ割り人形に導かれ、夢のような「お菓子の国」を訪れる祝祭の場面です。スペインの踊り(チョコレート)、アラビアの踊り(コーヒー)、中国の踊り(お茶)、ロシアの踊り(トレパック)といった世界各国の銘菓を模したディヴェルティスマン(余興の踊り)が次々と披露されます。
その祝祭のクライマックス近くに配置されているのが、「ギゴーニュおばさんと道化たち(La Mère Gigogne et les polichinelles)」です。日本ではこの場面に登場する子どもたちを「キャンディボンボン」「キャンディたち」「ボンボン菓子」と呼ぶ演出が広く定着しています。
フランスの民話に由来する「ギゴーニュおばさん(マザー・ジンジャー)」は、子だくさんの母親の象徴です。舞台上にそびえ立つ巨大なクリノリンスカートの裾が持ち上がると、中から8〜12人ほどの子どもたちが元気いっぱいに飛び出し、軽快なステップを披露した後に再びスカートの中へ戻っていく演出は、1892年のマリインスキー劇場初演(マリウス・プティパ台本、レフ・イワノフ振付)から受け継がれる象徴的なシアター・マジックです。
曲名は組曲版には含まれないことが多いものの、全幕スコアにおける第2幕第12曲「ディヴェルティスマン」の第6曲(ギゴーニュおばさんとポリシネル)に該当します。弾むような2拍子のリズムと、フランスの古い童謡『Cadet Rousselle(カデ・ルーセル)』の旋律を引用した親しみやすい曲調が特徴であり、観客の心をつかんで離しません。