菌とウイルスの決定的な違いとは?抗生物質が効かない理由と最新対策
菌とウイルスの決定的な違いとは?抗生物質が効かない理由と最新対策の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
細菌とウイルスの違いを理解するうえで、最初に着目すべきは生物と非生物の定義だ。一般的に生物の条件とされる「細胞膜で包まれている」「独自の代謝を行う」「自力で自己複製する」という3点を、細菌はすべて満たしている。つまり、細菌はれっきとした「単細胞生物」である。一方のウイルスは細胞を持たず、タンパク質の殻(カプシド)の中にDNAまたはRNAという遺伝情報が収まっているだけの単純な構造をしており、学術的には「生物と非生物の境界線にある微粒子」と位置づけられる。
両者の差は、そのサイズ感からも一目瞭然だ。大きさの比較と構造を見ると、一般的な細菌(大腸菌や黄色ブドウ球菌など)のサイズは約1〜5マイクロメートル(μm)で、光学顕微鏡を使えば十分観察できる。これに対してウイルス(インフルエンザウイルスやコロナウイルスなど)は約20〜300ナノメートル(nm)と、細菌の10分の1から100分の1程度の極小サイズしかない。ウイルスは光学顕微鏡では見えず、観察には電子顕微鏡での見え方を確認する特殊な機器が不可欠だ。例えるなら、細菌が「一般的なマンションの一室」だとすれば、ウイルスはそこに置かれた「1つのスーツケース」ほどのスケール差がある。