「御用改めである」の本当の意味とは?新選組池田屋事件の真相と江戸警察

「御用改めである」の本当の意味とは?新選組池田屋事件の真相と江戸警察について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をお届けします。

ポップカルチャーや時代劇の影響により、「御用改め」にはいくつかの根強い誤解が存在します。史料に基づく実態を検証すると、意外な真実が見えてきます。

誤解1:「御用改め」と叫べば誰でも即座に斬り捨ててよかったのか?

創作物では、踏み込みと同時に無条件で刀を振るう描写が目立ちますが、法的手続きとしては誤りです。御用改めの本質は「公儀の臨検への服従要求」です。相手が無抵抗で降伏した場合は生け捕りにし、取り調べを行うのが原則でした。池田屋事件においても、近藤勇らは「手向かいいたすな(抵抗するな)」と警告しており、斬撃を加えたのは抜刀して抵抗した者、逃走を図った者に対してのみでした。

誤解2:新選組は勝手に私刑を行っていた暴徒集団だったのか?

尊王攘夷派の立場から見れば新選組は恐怖の暗殺集団と映ることもありましたが、幕府の法体系上、彼らは京都守護職・松平容保(会津藩主)から正式に治安維持を委任された準公的機関でした。内部統制のために定めた局中法度(士道に背くまじきこと、等)によって隊員自身にも厳しい死罪基準を課しており、「御用改め」は彼らが私闘集団ではなく公的組織であることを示すための生命線でした。

誤解3:町奉行所の同心も全員が「御用改めである」と大声で叫んでいた?

江戸市中での通常の捜査において、同心や岡っ引きが常に大声を張り上げていたわけではありません。隠密捜査や内偵調査では、相手に警戒されないよう静かに身分証である「十手」を提示し、「御用だ、神妙にいたせ」と告げるのが一般的でした。「御用改めである!」と館内に響き渡る声で叫ぶスタイルは、敵が多数立てこもる危険地域への突入時や、池田屋事件のような武力衝突を前提とした非常事態ならではの光景です。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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