毎日2万歩は歩きすぎ?医師が警告する逆効果の罠と理想の歩数
毎日2万歩は歩きすぎ?医師が警告する逆効果の罠と理想の歩数の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
人間が直立二足歩行を行う際、接地する足には体重の約2〜3倍の衝撃が1歩ごとにかかります。体重60kgの人であれば、片足を踏み出すたびに約120〜180kgの負荷が足首、膝、股関節へとダイレクトに伝達されます。これを2万回繰り返すということは、下半身全体で累計数千トンもの衝撃を受け止め続ける計算になります。 アスリートのような強靭な筋肉と腱の柔軟性を備えていない一般成人が連日2万歩を敢行すれば、クッションの役割を果たす関節軟骨が摩耗するのは必然です。軟骨組織には血管がほとんど通っていないため、一度すり減ったり微小断裂を起こしたりすると自然再生することは極めて困難です。 特に発症頻度が高いのが「足底筋膜炎」と「変形性膝関節症」の初期病変です。足底筋膜炎は、足のアーチを支える腱膜が過度な牽引力によって炎症を起こし、歩行のたびに踵付近に激しい痛みを伴います。また、膝の内側に痛みが出る鵞足炎(がそくえん)や、太ももの外側の靭帯が骨と擦れる腸脛靭帯炎も、歩行過多によって頻発する代表的な整形外科的疾患です。 万が一、足や関節に異変を感じた場合の2万歩による膝や股関節の痛みと対処法として、まずは「完全な免荷(体重をかけない安静)」が最優先です。痛みを我慢して歩き続けると慢性的な関節症へと進行し、将来的に人工関節置換術が必要になるケースすら存在します。患部に熱感がある急性期はアイスバッグ等で15分ほど冷やし、痛みが落ち着いてからは足裏をテニスボールで優しく転がすマッサージや、股関節周りの大殿筋・腸腰筋のストレッチを取り入れて緊張を解くことが回復への確実な道筋です。